有道杓子(日本遺産構成文化財)

白洲正子氏がその著書で讃えた「杓子の中の王様」

江戸時代から高山市久々野町の有道地区に伝わる木杓子です。材料には朴ノ木を用い1本の材料から手作業で作ります。材料のもつ素朴な色合いと、継ぎ目がなく丈夫なこと、すくう部分に独特の彫りを残しているのが特徴です。高山市久々野町の東部に位置する有道地区に伝わるものです。随筆家白州正子氏の「日月抄」では「杓子の中の王者」と紹介され、その歴史は古く江戸時代に、地区の寺院や神社を建築した大工の庄五郎が京都へ働きに行ったいた折に習得し、有道地区に伝えたものというのが定説となっています。奥深い山間地での厳しい生活の中で、貴重な現金収入を得るために昭和の戦後まで生産されていました。現在は町民による「有道しゃくし保存会」により技術の伝承と保存に努めていられています。平成十六年十月には久々野町指定無形民俗文化財に指定されました。杓子の材料は主に朴の木で、材質が比較的柔らかく素朴な色合いを持つ白木で、乾燥しても形が変わらない性質を持ちます。継ぎ目のない一本の材料で作るため丈夫な有道杓子は現代の生活にも便利に使用され、地域の家庭でも多用されています。 

高山市「古い町並」にある「まちの体験交流館」では、有道杓子製作の実演、体験を行っています。


所在地岐阜県高山市上一之町35-1
電話番号0577-70-8290
お問合わせ先まちの体験交流館
営業時間・休業日実演、体験は不定期のため詳細はHPを確認
アクセスJR高山駅より徒歩15分

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