HIDABITO 030 チームやってみん

HIDABITO 030 チームやってみん

飛騨清見の豊かな自然と人の温もりに魅せられて
観光協会の5人組が様々な「やってみん」を提案

ウッドフォーラム飛騨が自然と文化と人をつなぎ、清見と森の入り口に

高山市の西部に位置する清見町。その96%あまりを森が占め、暮らしの身近なところに森がある。川上川の清らかな流れに沿うように町の南北を縦断する、飛騨・美濃せせらぎ街道と白川郷へと結ぶ飛騨やまびこ街道。広葉樹林の並木道が、四季折々に表情を変えてドライバーたちの目を楽しませる。自然豊かで魅力あふれるこの清見の町をもっと盛り上げたていきたいーーそんな想いに突き動かされ、ひだ清見観光協会(以下、観光協会)のスタッフたちが「チームやってみん」を立ち上げた。




「2020年の春に発足しました。新型コロナウイルス感染症が拡大する中、観光協会が地元企業と連携して清見の魅力を再確認して町を元気にしていこうと『ワンダフル清見』というプロジェクトがスタートしたんです。そんなときに、観光協会の活動拠点である『ウッドフォーラム飛騨』が休館しなければならなくなって、何か私たちにできることはないかと考えて。清見の町や人をちょっとだけでも明るくできたらと、スタッフ5人で『チームやってみん』を始動させたんです!」


にこやかな笑顔でそう語るのは、プロジェクトコーディネーターの原田美春さん。18年前にリゾートバイトで訪れた飛騨清見の町と人に心を奪われ、埼玉県から移住してきた。同じ観光協会に勤める森下礼子さん、廣田るみ子さん、小坂井久美子さん、山平朋美さんとともに、様々な切り口から清見の魅力を掘り下げて発信している。個性豊かな5人が集まり、清見のためにできることを模索する。




「この仕事に就いて、清見の良さをよその人から教えてもらっている感じです。」

そう話すのは、5人の中で唯一、生まれも育ちも清見という森下さんだ。

「ずっと清見にいると自分の町の魅力が見えにくいんですよね。控えめでシャイな人が多いんですが、根付いているのはお互い様精神。やってもらったことはやってあげるのが当たり前で、良くも悪くも白黒はっきりつけないのが特徴で。新しい風も入れていけたら。(森下)」


廣田さんは観光協会に勤めたことで、清見の魅力を再認識した。

「生まれが下呂市で、独身時代は清見は紅葉を見に出かける近場の観光地だったんです。それが、こちらへ嫁いで清見が非日常から日常に変わったことで、町の一番の特徴に鈍感になってしまった自分がいました。あらためて清見を俯瞰して見てみたら、紅葉だけでなく新緑の頃も雪景色もすごくいいなって。森が本当に暮らしのそばにあるんです。(廣田)」


結婚を機に高山市民になった小坂井さんも、清見に通勤しながら日々気づきがある。

「高山市から清見までは車で10分ほどなんですが、そのちょっとの移動で山の緑の見え方が違うんです。そんな清見のただそこにある自然に惹かれます。与えられた娯楽ではなく自然から何を感じとるのか、『やってみん』に携わるようになって考えるようになりました。清見が森の入り口として機能してくれればいいなと思っています。(小坂井)」



自然と森、そして人。その関わりを考えたとき、原田さんはフィンランドと清見に共通点を見出した。

「観光協会で『ひだ北欧学びの会』を主催した際、フィンランドの生涯教育研究家の石原侑美先生が北欧講座で、世界一幸福度の高いフィンランドの人々についてお話してくださったんです。森が身近にあり、自然と共存した暮らし方やシャイな性質だと聞くにつれ、まるで清見のことを言っている気がしたんです!(原田)」


フィンランド人と清見の人の気質が似ている。それがキーワードとなり、清見町を日本一HAPPYな町にすることが「チームやってみん」の目標となった。そうした一環で「オトナの学び場」と冠した講座の他、マルシェやワークショップも定期的に開催している。





やってみんmapやチームTシャツをデザインした山平さんは、活動拠点であるウッドフォーラム飛騨への思いも深い。

「活動を通して清見を知れば知るほど、清見愛が日々膨らんでいます。ウッドフォーラム飛騨は自然の公園。遊具などはありませんが、何もしないことを楽しんだり、自然を身近に感じてもらえる場所です。市民も観光客もいろんな人が気軽に訪れて、自然と文化と人をつなげられたらと思います。(山平)」




「やってみん」は、やってみようよ!、やってみない?という飛騨高山の方言だ。どんな懸案も5人で話し合い、5人でやってみる。わちゃわちゃと楽しみながら蒔いてきた様々な種が、今ようやく芽を出し始めている。


「地域のみなさんにとってもよそから来た方々にもホッとできる場所を提供できたら。ウッドフォーラム飛騨がお互いを尊重し合いながら成長できる場になれば、素敵ですよね。(原田)」


たった5人の取り組みからたくさんのHAPPYが生まれ、清見の町と人をより一層輝かせていく。



名前ウッドフォーラム飛騨
住所岐阜県高山市清見町三日町165
電話0577-68-2338
公式サイトhttps://hidakiyomi.org/





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